NHK支払い義務について異論
「ワンセグ付きのスマホの所持もNHKへの料金支払い義務が生じるか」という問題について、NHKは裁判で4戦全勝している。
もはやワンセグ付きのスマホを持っている人にとっては絶望的な話だろう。
しかし、この問題について、国民は明らかな見落としをしているのだ。
まず、NHKへの料金支払い義務が生じる根拠となる法律がこちら。
「放送法 第64条
協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。ただし、放送の受信を目的としない受信設備又はラジオ放送(音声その他の音響を送る放送であつて、テレビジョン放送及び多重放送に該当しないものをいう。第百二十六条第一項において同じ。)若しくは多重放送に限り受信することのできる受信設備のみを設置した者については、この限りでない。」
この法律について注目してほしいのは、
「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置」
という部分だ。
ワンセグ付きのスマホを持っていると支払い義務が生じるということは、そのスマホがNHKの電波を受信できるから、ということになる。
だが、私はこう断言しよう。
この世にテレビの電波を受信できるスマホはない。
どういうことなのかと思う人もいるだろう。ワンセグを利用したことがある人なら分かるはずだ。
実際にワンセグでテレビを見るには、イヤホンジャックに接続するアンテナケーブルが必要だ。
スマホ単体ではテレビを見ることはできない。
つまりだ。
テレビ(NHK)の電波を受信するのはスマホ本体ではなく、アンテナケーブルである。
スマホの役割は、あくまでアンテナケーブルで受信したテレビの電波をイヤホンジャックを通して画面に出力するだけに過ぎない。
スマホ自体はテレビの電波を受信できないのだ。
すなわち、ワンセグ付きのスマホは支払い義務の根拠となる放送法第64条の「協会の放送を受信することのできる受信設備」には当たらない。
言うのであれば、それの根拠になるのはアンテナケーブルの方だ。
アンテナケーブルさえ捨ててしまえば、支払い義務は逃れられるはず。
裁判はやり直すべきだ。