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精神論大国、日本

将来の生き方

精神論とは何なのだろう。日本では特にこの考え方が受け入れられている気がするが、もうそんな考え方は捨ててほしい。

精神論。辛い状況に耐え続けることで、何があっても屈しない精神に仕上がるという考え方。だが、今こそもう一度見直すべきだ。

本当にそうなのだろうか?

実際、その精神論のせいで苦しむ人がいる。昭和期は、「運動中は水分補給をしてはならない」という、実に凶悪な風習があった。今でこそそんなことはなくなったが、今と昔を比べても、精神論による被害の量は何ら変わっちゃいない。

精神論は、人を殺す。

例えば長時間労働。日本人は「働くこと」を重んじるあまり、「長く働くほど偉い」という根拠のない結論にたどり着いた。労働時間は1日に8時間まで、週に40時間までという法律を設けておきながら、その意味をなくすかのように例外規定が作られた。そして、多くの企業がその例外規定を採用する有り様。しかし、本当に大切なのは結果を出すこと。結果を出さなければ働いている時間は無駄だ。
人間の精神には限界がある。その限界を超えて働かせるなど、拷問だ。結局、長時間労働が原因で過労死する人や自殺する人がいる。しかし、日本人は彼らが死んでいくのを「本人の意思が弱いからだ」としか捉えなかった。意思の弱い人間は「人間失格」とでも言いたいのか?

次に悪質クレーマーの問題。日本はクレーム大国と言われている。「お客様が優先」という考え方を重んじるあまり、過剰なサービスが当たり前になってしまった。その結果、些細なミスや欠陥が原因で、まるで大事であるかのようなクレームを押し付ける人間が湧く。だがここで疑問がある。
クレームを入れるということは、その企業に対してまだ何かを期待しているはずなのである。逆に、何も期待していなければ、そもそもクレームなんて入れないはずである。クレームを入れないのは、その企業を見限ったからである。そうなれば、わざわざクレームを入れずに他の企業の商品などを求めればいい。
しかし、どういうわけか、日本でのクレームには、そのような性格が感じられない。ただ難癖をつけているだけのように見える。クレームを入れたところで、その企業の商品を再度購入する意思表示をしない。まったくおかしなことだ。
そして、このような悪質クレーマーへの応対が原因で鬱病になる人間がいる。しかし、日本人は彼らが鬱病になっていくのを「本人の意思が弱いからだ」としか捉えなかった。悪質クレーマーに打ちのめされる人間は「社会人失格」とでも言いたいのか?

次に飲酒。こちらも酒を飲まない人間は「人付き合いが悪い」「仕事が出来ない」などと、根拠もなくレッテルを貼っている。酒は人付き合いのすべてなのか?飲酒は仕事の能力の一つなのか?違うだろう。
結局、その根拠のない理屈が原因で、酒が飲めないにもかかわらず、その人の事情を理解せずに飲酒を強要する馬鹿が湧き、飲まされた結果、急性アルコール中毒で死ぬ人間がいる。しかし、日本人は彼らが死んでいくのを「アルコールに弱すぎるからだ」としか捉えなかった。酒が飲めない人間は「人間失格」とでも言いたいのか?

飲酒については、アルコール依存症の問題もある。日本は先進国の中でも酒類の広告が規制されない国だ。インターネットに載せられる静止画の広告はもとより、テレビCMでは視聴者の飲酒欲を煽るようにCMが作られていた。今ではそれを避けるように規制されたが、それでもまだまだ規制が甘い。第一、20歳以上という年齢規制のある商品を堂々と広告として出すこと自体おかしい。結局、それが原因で、未成年者の飲酒への関心を高めている。
肝心のアルコール依存症だが、アルコール依存症に苦しむ人がこういった酒類の広告を目にするから、無駄に飲酒欲を引き出している。酒癖を直したいのに、広告がそれを邪魔する。広告さえ無くせば一気に激減出来るであろう問題なのに、日本人は彼らがアルコール依存症に苦しむのを「本人の意思が弱いからだ」としか捉えなかった。だから酒類の広告の規制が進まないのだ。年齢規制があり、かつ依存性のある飲み物の広告を無差別に出しておいて、よくそんな大口が叩けるものだ、日本人は。

まだある。よく「若いうちは苦労しろ」だとか「若いうちは辛抱しろ」だとかほざく大人がいる。それはつまり、幸せになるのは大人になってからだということだ。
何だそれは?子どもは幸せになってはいけないのか?子どもこそ幸せに生きるべき存在だというのに、それではまるで子どもが不幸だと言っているように聞こえる。正直に考えてみろよ。素直になれよ。苦労することを「好きだ」なんて言う人間がいるか?いないだろ?みんな苦労なんて嫌なんだよ。出来る限り楽したいんだよ。
他にもある。今でこそ親の子供への暴力は減ったが、依然として子供への暴力を「しつけ」と言って正当化する馬鹿がいる。本人の言い分を聞いてみれば、「子どもを愛しているから」「子どもへの愛情」などと勘違いなことしか言わない。正直に考えてみろよ。素直になれよ。そんな暴力、子どもにとっては「痛い」以外の感情はない。そこには愛情の欠片もない。だから今では体罰なんだよ。

こう見えて、日本の治安は実は大して良くないのかもしれない。最悪のケースでは、この精神論が原因で、直接手を下さずに「間接的殺人」が起きている。銃が規制されている国なのに、なぜこんなに人が死ぬのだろう。

精神論は、頭で考えない。頭で考えないから馬鹿になる。そういう人間が上層部に多くいる。


異常だ。


どうせ働くなら海外で働きたい。正直、今の日本の労働環境はかつての奴隷制度以上の深刻さだ。今の状況じゃ、正に「働いたら負け」である。