グリーン車と子ども

新幹線や特急列車には、良質な設備を搭載した特別車両「グリーン車」がある。特急料金に加えて、設備に対してかかる「グリーン料金」を支払うことで利用できる。

勿論、普通車よりも快適な空間であるが、どうやら人によっては必ずしもそれが保証されているようではないらしい。彼らが悩まされている問題がある。

子どもはグリーン車に乗っていいか否か?

せっかくグリーン車に乗ったのに、逆に不快な思いをしたという人が何人もいる。その主な原因は子どもにあるようだ。

その原因とは、単純に声がうるさいというもの。子どもはまだ公共のマナーが未熟で場をわきまえることができず、騒いでも人に迷惑をかけているという自覚がない。医学的に言えば、子どもは脳みその一部であり、理性を保つ働きを起こす前頭葉が未熟であるため、その場その時の気分に流されやすく、我慢ができない。これらが子どもが騒ぐ原因である。

確かに公共の場で人が騒ぐのは迷惑だ。グリーン車は設備のサービスであるが、普通車に比べて合計料金が高く、普通車よりも利用率が低くなるため、それ故静寂になることが多い。この性格を考えると、グリーン車は静寂という部分にも料金を支払う意味があると言える。

そう考えると、子どもに騒がれればグリーン車のために支払った料金が無駄になった気分になるのも分かる。

しかし、どの鉄道会社にも、子どもをグリーン車、乗せてはいけない規定はない。法律的に子どももグリーン車に乗れる。ただし、運賃と特急料金とは違い、グリーン料金は年齢を問わず同額である。

とはいえ、公共の場では静かにするべきだ。グリーン車に限らず、こういう場所では親が子どもを落ち着かせる必要がある。例えば騒ぎ出したらデッキに連れて行ったり、わざと寝かしつけたり。

ただ、第三者も可能な環境であれば音楽を聴くなどして周りの音を遮断する手もある。

これらの方法で大体は解決するだろう。

最後に、子どもがグリーン車に乗ることに否定的な人の意見の中に「小さい頃から贅沢をするな」というものがあるが、この理由はナンセンスだ。子どもの心の成長は親の教育次第であり、贅沢をしたからといって心の出来が悪くなるわけではない。最も、親に連れられている子どもが、自分がグリーン車という優等車両に乗っていること自体、親に言われない限り気付かないだろう。